彼岸花

9月の半ば 敬老の日くらいから秋分の日にかけて
今までその気配さえ感じられなかった場所に
スッと伸びてきて 赤い花を付ける彼岸花。

毎年、毎年 咲く前の伸びてくるところを見てみたいと思いつつ・・・
気が付くと既に花を付けてしまっています。

多くの草花は 大きく葉を茂らせてから 花を付けたり
先に花が咲くものは その後、大きく育ったりと
ここに自分がいることをみんなに主張するものですが
この彼岸花は 花が終わると 来年のこの時期まで
またどこにいるのかわからなくなってしまいます。

咲き誇る彼岸花
群れて咲く彼岸花

一年のほとんどを知られることもなくひっそりとすごし
秋のこの時期だけ一斉に咲き誇る姿は
ずっと地中で成長し 真夏のほんのひとときを地上で謳歌する
セミの姿に似ているような気もします。

普段は そこにある事すら忘れられ この時期の ほんのひとときだけ
何よりも鮮やかに目に留まり 「そろそろお彼岸だね」、
「今年も咲いたね」と言われる 誰もが知っている彼岸花。

最近は 「自分軸を持とう」、「ブレない生き方」などと言われ
周りに左右されない 自分流の生き方が素敵だと言われている時代に
自分流を しっかりと貫いている この彼岸花が重なり 
ちょっと凄いなと思ったりもしています

最近では白い彼岸花もあちこちで見かけますが
やはり赤い花の方が 彼岸花らしくて 個人的には好きです。

まだ咲き出したばかりなので もうしばらくは楽しめそうですが
その後はまた そこにあったことさえ分からなくなるほどの
ひっそりとした状態に戻ってしまいます

彼岸花
彼岸花

この週末は お寺で彼岸会が行われます
今年のお盆はお寺に行けなかったので お彼岸は
お寺に行って手を合わせ お墓参りをしながら
彼岸花 ゆっくり眺めてみようかな